◆医療・生命◆ 迅速・簡便な抗原ー抗体反応測定法の開発 | |||||
従来のイムノアッセイ法は操作が煩雑で測定に長時間を要し,しかも抗原抗体反応が固液界面という不均一系で進行するため,反応効率が低いという問題があった。今回,抗体とポリマーのコンジュゲート(複合体)を合成し,これと蛍光プローブを併用した新規イムノアッセイ法を開発した。検出対象である抗原を添加すると,抗原の濃度に伴い抗体―ポリマーコンジュゲートと抗原からなるネットワークの形成が促進され,結果として溶液の粘性が増大することにより蛍光強度が増加した。本手法は,溶液という均一系でワンポットの操作で検出できるため,種々の抗原の迅速分析が可能になる。 |
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【P3093】 抗体−ポリマーコンジュゲートと場感受性蛍光プローブを併用した (九大院工)○宗 伸明・石田祐也・久米正志・今任稔彦 |
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抗原抗体間の厳密な分子認識を利用するイムノアッセイ法は、検出対象とした物質を高選択的に分析するための有用な手法として、様々な分野で広く利用されている。しかし、酵素免疫測定法に代表される現行の手法は、操作が煩雑であるため測定に長時間を要し、しかも抗原抗体反応が固液界面という不均一系で進行するため、反応効率が低いという難点を有している。イムノアッセイの手法が必要とされている現場においては、多数の検体を効率良く処理することが求められる場合が多く、それ故、迅速・簡便な新しいイムノアッセイ法の開発は取り組むべき重要な課題と言える。 |
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